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2020.7.22

【作品購入者インタビュー】各国のファンが語る、星野友利氏の魅力

“大和絵”を追求する日本画家として数多くの作品を発表し、特に近年は2017年4月の「World Art Dubai」(ドバイ)出展以降、2018年パリ個展、2019年「Abu Dhabi Hunting & Equestrian Exhibition」(アブダビ)出展など精力的な海外展開も目立つ星野氏。
各国アートフェアへの参画や個展の開催は、作品と鑑賞者の出会いの場を増やし、新たなファンを獲得する手段として非常に有効と言えますが、星野氏はそこに留まらず、過去多くのイベントにおいて作品の販売に成功しています。

彼の作品の何が、人々を惹きつけ、評価に繋がったのか。今回は実際に星野氏の作品を購入した皆様にお話しを伺い、その魅力を詳しく伺いました。

 

■Andrew Taitさん(2017年「World Art Dubai」にて作品「夜明け」を購入)


星野氏とAndrewさん(右)。「World Art Dubai」の会場にて。

「World Art Dubaiの会場を歩き回っていたところ、星野さんの絵が目に入り足を止めました。その絵は、私に直接語りかけてきたのです。
施された技巧は信じ難いほど素晴らしく、また、金箔が使われた現代日本画を見るのが初めてだったのでとても驚きました。さらに金箔はこの絵の主役でもありました。
私は夕方の海が大好きなのですが、この作品はその美しさを実によく捉えています。金箔によって生み出される繊細なニュアンス、特に波の表現には言葉を失いました。星野さんの絵は見るたびに揺らめき、空間全体に響き渡ります。
それからもうひとつ、個人的な話になりますが…、実はこの絵は、少し前に亡くなった祖母からの遺産で購入したものです。ですから私はこの絵を見るたびに祖母を思い出します。
この世に生きて、どんな辛いことがあっても、持ちこたえて前進し続けること。作品に描かれた岩のようにしっかりと立ち、周囲に流れる水で心と体を洗い流して、常に明日を見つめ続けること。この絵は、とても大事なことを教えてくれました。私にとって最も特別な絵です。」


寝室のタンスの上に絵を飾っているというAndrewさん。朝目覚めると一番にこの絵が目に入るそうです。

 

■Geneviève Royさん(2018年パリ、エチエンヌ・ドゥ・コーザン・ギャラリー個展にて作品「幕開け」を購入)


星野氏とGenevièveさん(右)。エチエンヌ・ドゥ・コーザン・ギャラリーにて。

「2018年は日仏交流160周年にあたる記念年で、関連したアートイベントがフランス各地で多く開催されていました。そのなかでも私は星野さんの展覧会の招待状に強く惹かれるものを感じ、ギャラリーへと足を運びました。

ギャラリーに到着したとき、来場者は私ひとりでした。足を踏み入れた途端、私は星野さんの作品の落ち着いた色彩、彼の生み出す絶妙なニュアンスと重なるレイヤーに、静かに、暖かく歓迎されたように感じました。

展示された数々の作品のうち、荒れ模様の空と海が描かれた一点に目を留めました。その情景——荒れ狂う空、雨のカーテン——に圧倒されただけでなく、そこには目に見えない“なにか”が存在する、そんな気がしてなりませんでした。私は星野さんの作品世界にすっかり飲まれてしまったのです。

星野さんご本人と通訳の女性が、彼の制作に対する想いだけでなく、その作品について感じることについても丁寧に共有してくれました。

そして私はこの絵の中に、壊れやすい自然の存在を見て取ることができました。あれから今日まで、長い時間をかけることで、今では当時よりももっと子細にこの作品の真意を見つめることができます。

そして、私はいつでもこの作品に描かれた青色の中に、すぐに姿を変えてしまう自然の中に、光の中に溺れてしまいます。活力に満ちた美しい光の表現は、静謐で深い慈しみの心を感じさせてくれます。
この作品のおかげで、私は束の間の心地良い空想を楽しみ、そのなかで日本の美しく詩的な世界をそぞろ歩くこともできます。星野さん、素晴らしい贈り物をありがとうございました。」


「幕開け」ほか星野氏の力作が揃ったパリでの個展には連日多くのアートファンが訪れ、その清らかで美しい大和絵の世界に息を呑んだ

テーマと真摯に向き合い、素材にこだわり、生命の息吹を感じさせる繊細な表現を追求する星野氏の大和絵は、国を越え文化を超え、人々を魅了し続けるでしょう。
次の展覧会に向けて新たな大作の制作に打ち込んでいるという星野氏の、今後ますますの活躍に期待が高まります。

 

取材・撮影/一般社団法人ジャパンプロモーション
文責/制作局 三田珠理